学部?大学院学部長メッセージ
MESSAGE
この度、名城大学経営学部長を拝命した橋場俊展です。ここでは、本学部での学びの目的を私なりに解釈してご説明し、挨拶に代えさせていただきたいと思います。
名城大学経営学部では「国際感覚に富み、幅広い教養に支えられた経営諸科学の理論的?実践的能力を社会の多様な領域で発揮する人材の養成」を目指しており、これに資する教育の提供に努めています。一見すると難解な文言ですが、私の理解するところでは、以下のような人を育てていきたいということです。
1.国際的な視点を持った人:今日、あらゆる組織の経営は、世界の政治的?経済的動向と無縁でいることはできません。そこで、世界の状況に関心を持ち、常にアンテナを張ってくれる人になってもらいたいと考えています。
2.幅広い知識や教養を身につけた人:視野を広げる、会話の機会を増やすとともにその内容を深める、文化的な相互理解を促す、人生を豊かにする等々、知識や教養の効用を挙げれば枚挙に暇がありません。在学中に少しでも多くの知識と教養を身につけてもらうことはもちろん、卒業後も意識的にこれらを求め続けることが習慣化された人になって欲しいと願っています。
3.経営に関する理論(組織を効果的に運営するための様々な知識)と実践(理論を様々な課題解決のために応用する)の両方の能力を備えた人:経営学部で学ぶわけですから、経営、会計?ファイナンス、マーケティング分野の専門的知識を体系的に身につけてもらう必要がありますが、それに留まらず、直面する様々な課題を解決するために、大学の授業で学んだ知識をうまく活用する応用力を兼ね備えた人に育って欲しいと願っています。
4.社会のさまざまな分野でそうした能力を活用し、課題解決に貢献できる人:組織において直面する様々な課題や問題を解決するためには、3で述べた能力が求められますが、それ以外にも率先して課題解決に取り組む主体性や行動力、他者の協力を得るための説得力やリーダーシップも必要になります。こうした姿勢や広い意味での能力を併せ持った人になって欲しいと考えています。
以上の目的を達成できるよう、経営学部では多様な学びの機会を用意しています。具体的には、国際的な視点や幅広い知識と教養を身につけるために、語学科目を含む充実した教養教育科目を開講すると同時に、長期休暇を利用した国際フィールドワークを実施しています。この国際フィールドワークは15回の講義で訪問国の歴史、文化、社会、経済について学んだ上で、現地での研修を行う授業です。これ以外に、各種「学びのコミュニティ創出支援事業」の一環として開催される講演会も、参加学生の国際感覚を高め、知識?教養を豊かにしてくれるはずです。
続いて、経営に関する理論と実践双方の能力を身につけるために、経営学部では、ゼミ単位での企業訪問調査、キャリア特論や一部基礎ゼミナールで導入しているFSP講座など企業と連携した問題解決型学習、愛知県社会保険労務士会による寄附講座、外部講師を招いての講演会や起業講座(経済学部との合同開講)などを実施しています。これらの機会を通じて企業等組織の現場を知ることが大学での学びを深め、深化した学びが現場の理解を促し、現場への理解と関心がさらなる学びを喚起していく。こうした好循環を実現し、理論と実践の融合を図っていくことを我々は「現場触発型」教育と呼んできましたが、今後もこうした教育にこだわり続けていくつもりです。
最後に、身につけた能力を活用して課題を解決へと導く行動力や実行力などを養ってもらうために、4年間一貫してゼミナールに所属し、多くのグループワークを経験してもらうことは極めて有効でしょう。既に紹介したキャリア特論に参加し、企業から提示された課題にグループで取り組み、企業実習を踏まえて最終プレゼンテーションに臨むという一連の体験も、皆さんの行動力や他者を巻き込む力を養ってくれるはずです。その他にも、学びのコミュニティ創出支援事業の各種フィールドワークなど、こうした力を伸ばす機会を多々見つけられることでしょう。
以上のように、名城大学経営学部には皆さんに成長していただくため、様々な工夫を凝らしています。もちろん、経営学部の教職員一同、皆さんが実りある大学生活を過ごし、社会で活躍できる人材として巣立っていけるよう、全力でサポートしていきますので、4年間安心して、楽しく学んでください。
学部長 橋場 俊展